大腸カメラ
大腸カメラについて
下部消化管内視鏡(大腸カメラ)では、肛門からスコープを挿入し大腸の内部を観察しますが、当クリニックの内視鏡検査は消化器内視鏡学会専門医が高い精度で病変や異常を検出します。また状況に応じてポリープを切除するなど、体に侵襲の少ない内視鏡手術を行うこともあります。検査の際には、快適で苦痛が少なく安心・安全な検査を行い、丁寧な説明と配慮を心がけています。
大腸内視鏡検査による大腸癌死亡率減少効果
大腸がんの検査には、便潜血検査・注腸X線検査・CT検査などさまざまな種類がありますが、その中でも内視鏡検査(大腸カメラ)は、直接大腸の中にカメラを挿入するため、より鮮明に大腸がんの発見が可能になります。下の表は、内視鏡検査をしなかった場合と内視鏡検査をした場合の死亡率を表したものです。結論的に内視鏡検査をした場合、明らかに死亡率が低く抑えられ内視鏡検査の重要性が一目瞭然の結果となっています。大腸がんは日本でも死亡率の高い病気です。定期的な内視鏡検査をお勧めしています。
内視鏡なし | 全大腸内視鏡 | |
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対象人数 | 1,182,248人 | 357,008人 |
全大腸癌死 | 349人 | 52人 |
ハザード比 | 1.00 | 0.32 68%減 |
近位大腸癌死 | 121人 | 25人 |
ハザード比 | 1.00 | 0.47 53%減 |
遠位大腸癌死 | 195人 | 16人 |
ハザード比 | 1.00 | 0.18 82%減 |
当クリニックの大腸カメラの特徴
痛みを軽減するための内視鏡検査の方法や麻酔の利用、および痛みを軽減する対策について説明いたします。
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熟練した検査技術
当クリニックの院長は、消化器内視鏡専門医や内視鏡スクリーニング認定医の資格を保有する内視鏡のスペシャリストです。また、カメラを挿入する過程で手先の器用さも必要とします。この手先の動きは、経験とたゆまぬ技術の訓練がとても重要です。
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清潔な内視鏡機器を使用しています
当クリニックで使用する内視鏡スコープは、最新の高機能自動内視鏡洗浄機と、高水準の消毒液を使用して洗浄を行っており、また組織検査を行うための生検鉗子や、ポリープ切除のための切除器具(スネア)などの処置具も、すべてディスポーザブル(使い切り)としております。内視鏡による感染防止を徹底しておりますので、安心・安全に検査や処置を受けて頂けます。
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がんの発見に精度を上げる最新映像機器
当クリニックで使用する内視鏡システムはEVIS X1という最新の機器を使用しており、ハイビジョン画質や画像強調機能という特殊観察技術を搭載しています。映像が鮮明で微妙な粘膜の変化も判断できますので、従来は発見が困難であった病変を発見しやすくなっており、早期の病変の発見が可能です。
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痛みを軽減させる挿入方法
大腸は長さや走行(形)に個人差があるため、内視鏡挿入時の痛みの程度も個人差があります。さらに腹部の手術により腸の癒着などがあると、痛みが強いことがあります。当院では軸短縮法という内視鏡挿入法で、大腸に負担が少なく痛みの少ない検査を行っております。また麻酔(鎮静剤や鎮痛剤)を使用して、痛みを軽減しながら検査をすることも可能です。
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患者さんへの説明と配慮
医師や医療スタッフは、患者さんに検査の手順や予想される感覚について事前に説明し、不安や緊張を軽減するための配慮を行います。患者さんが検査のプロセスを理解し、リラックスした状態で検査を受けることができるようサポートします。
当クリニックで発見された大腸がん症例
大腸カメラのQ&A
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当クリニックでは、軸短縮法という内視鏡挿入法で、大腸に負担が少なく痛みの少ない検査を行っております。また麻酔(鎮静剤や鎮痛剤)を使用して、眠っている間に検査をすることも可能ですので、ほとんど痛みや苦しみは感じられません。
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検査自体は、15分から20分ぐらいで終了します。
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問題ありません。検査前日に下剤や排便を促進するお薬を出したり、検査前日までの食事に気をつけてもらったりして、便の状態を見ながら検査することになります。
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切除可能な大きさでしたら、その場で切除し手術をしますが、痛みもなく当日に帰宅可能です。また、切除不能な大きさのものは、組織を採取し病理検査を行って治療方針を決定したり、信頼性の高い専門病院での治療を依頼したりします。
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検査終了後に、医師による検査結果の説明があります。カメラで撮影した映像を一緒にご覧いただきますので、すぐに検査結果は分かります。ただしポリープを切除したり、組織を採取したりした場合は、病理検査の結果が出るまで1週間程度お待ち頂きます。
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検査当日は、できるだけ安静にしてお休みいただくことをお勧めしますが、軽作業や事務仕事であれば可能です。また検査のために麻酔を使用した場合は、検査当日は車の運転や身体を使う重労働は避けて頂きますが、翌日からは通常の生活や仕事が可能です。
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大早期の大腸がんや大腸ポリープは、痛みや出血などの自覚症状がありません。ですから、早期発見のためには、大腸カメラで検査するしかありません。また大腸カメラで大腸ポリープが見つかったり、治療をしたりした方は、できたら1~2年に一度の頻度で大腸検査を受けられることをお勧めします。
検査の流れ
検査の前日
- 朝から検査食または消化の良い食事をとってください。夕食は18時までに食べ終わってください。
飲み物は、水か緑茶のみとなります。決してアルコール類は飲まれないでください。 - 21時ごろ下剤を服用ください。服用方法は説明書をお読みください。
※前日の下剤が苦手な方は、服用なしでの検査も可能ですのでご相談ください - 安静にして早めに就寝ください。
検査の当日(ご自宅で腸内洗浄剤を服用する場合)
- 朝食は摂らないでください。水や緑茶などは十分に飲んでください。
- 血圧や心臓のお薬を服用しなければならない患者さんは6時までに服用ください。
- 糖尿病のお薬は飲まないでください。それ以外のお薬は医師の指示に従ってください。
- 腸内洗浄剤(サルプレップ)を指定された時間から服用開始してください。服用方法については説明書をお読みください。
- 腸内洗浄剤服用中に腹痛や腹部の張り、吐き気や嘔吐などの症状が出た場合はご連絡ください。
- 12時ごろクリニックにお電話ください。看護師が排便の状態や体調を確認します。
- 排便が落ち着きましたら来院ください。
- 検査にかかる時間は30分程度(内視鏡挿入時間は15分程度)です。必要に応じて組織検査やポリープ切除を行います。
- 検査終了後は、回復室でお休みいただきます。
- お目覚めになられましたら検査の結果を説明いたします。
- 意識がはっきりしている状態を確認しお帰りいただきます。
- 検査後はできるだけご自宅で安静にしてゆっくりお休みください。
※検査後、結果や所見について詳細な説明と、適切なフォローアップを行います。検査は一般的に30分程度を要しますが、患者さまの状況や検査の内容によって異なります。また、検査前後には特別な注意やケアが必要な場合がありますので、医師の指示に従っていただきます。
注意事項
- 体調が悪い方は検査できない場合がありますのでクリニックにご連絡ください。
- 麻酔薬を使用する場合は、お車やバイク、自転車でのご来院はご遠慮ください。必ず、公共交通機関や徒歩、タクシーなどでお越しください。
- 検査時にポリープを切除した患者さんは2~3日は飲酒できません。また、激しい運動やお仕事もできません。長時間の入浴も避けてください。
最新の内視鏡検査機器のご紹介
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EVIS X1:内視鏡システム
ハイビジョン画質や画像強調機能という特殊観察技術を搭載しており、従来は発見が困難であった病変を発見しやすくなっています。
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GIF-1200N:上部消化管用スコープ(胃カメラ)
通常の内視鏡(約10mm)と比べ、太さが径5.4mmと細く(極細径内視鏡)検査中の苦痛が少なく安全性が高いのが特徴です
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OER-6:内視鏡洗浄消毒装置
細菌やウィルスなどを確実に消毒・殺菌できる高い洗浄消毒性能を有する高水準消毒液・装置を用いて洗浄を行い、常に清潔で安心・安全な内視鏡機器を使用しています。
これらの対策を組み合わせることで、内視鏡検査をより快適に受けることができます。患者さんと医療スタッフとの密なコミュニケーションと協力が、成功裏に検査を行う上で非常に重要です。