ABI/PWV検査の概要について
ABI/PWV検査は、動脈硬化の程度を評価するために広く行われている検査です。心臓から送り出された血液が血管を通って体の末端まで届く速さや、血管がどれくらい詰まっているかを数値化することで、動脈硬化の進行度を把握することができます。
検査方法
検査の流れ
ABI(足関節上腕血圧比)検査
- 目的
- 足の動脈がどれくらい狭くなっているかを調べる。
- 方法
- 両腕と両足首の血圧を測定し、足首の血圧を上腕の血圧で割った値を算出する。
- 原理
- 健康な人では、足首の血圧は上腕の血圧よりもやや高くなる。しかし、動脈が狭くなっていると、足への血流が悪くなり、足首の血圧が低くなる。
PWV(脈波伝播速度)検査
- 目的
- 血管の硬さを調べる。
- 方法
- 心臓から送り出された脈波が、動脈を通って手足に伝わる速さを測定する。
- 原理
- 血管が硬くなると、脈波が速く伝わる。
これらの検査は、通常、専用の機器を用いて行われます。検査時間は、数分から十数分程度です。
検査を受ける際の注意点
- 事前の準備
- 検査の前日夜から、激しい運動や飲酒は避ける。
検査当日は、きつい衣服を避け、リラックスできる服装で来る。
普段飲んでいる薬がある場合は、医師に伝える。 - 検査中の注意点
- 検査中は、安静にして指示に従う。
血圧測定の際に、腕や足を締め付けすぎないように注意する。 - 検査後の注意点
- 特にありません。
検査結果の見方
- ABI
- 1.0以上:正常
0.9~0.99:軽度の動脈硬化
0.4~0.89:中等度の動脈硬化
0.4未満:重度の動脈硬化 - PWV
- 数値が高いほど、血管が硬いことを示す。
検査を受けるメリット
-
早期発見
動脈硬化を早期に発見し、治療を開始できる。
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治療効果の評価
治療の効果を評価し、治療法を見直すことができる。
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心血管イベントの予防
心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントの発症リスクを低下させることができる。
まとめ
ABI/PWV検査は、動脈硬化の早期発見と治療に非常に有効な検査です。特に、高血圧、糖尿病、高脂血症などのリスク因子を持っている方は、定期的に受けることをおすすめします。