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秋から冬に多発する「ノロウイルス」にご注意

1 感染性胃腸炎とは

 

Norovirusノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。

2 原因と感染経路

 

原因となる病原体には、ノロウイルス(Noro virus)、ロタウイルス(Rota virus)などのウイルスのほか、細菌や寄生虫もあります。  感染経路は、病原体が付着した手で口に触れることによる感染(接触感染)、汚染された食品を食べることによる感染(経口感染)があります。

3 症状

 

病原体により異なりますが、潜伏期間は1~3日程度です。ノロウイルスによる胃腸炎では、主な症状は吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛であり、小児ではおう吐、成人では下痢が多いです。有症期間は平均24~48時間です。ロタウイルスによる胃腸炎では、おう吐、下痢、発熱がみられ、乳児ではけいれんを起こすこともあります。有症期間は平均5~6日です。感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。

 

4 治療

 特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。  

乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがありますので早めに医療機関を受診することが大切です。特に高齢者は、誤嚥(おう吐物が気管に入る)により肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。おう吐の症状がおさまったら少しずつ水分を補給し、安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけましょう。

5 予防のポイント

 

ロタウイルスによる感染症については、予防接種ワクチンがあり、乳幼児を中心に接種を受けることが行われています(2020年10月より定期接種)。ノロウイルスについては、予防接種はありません。

 

トイレの後や、調理・食事の前には、石けんと流水で十分に手を洗いましょう。 ノロウィルスはアルコールに強いため、便やおう吐物を処理*する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、次亜塩素酸案ナトリウムでの消毒が推奨されています。処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。

6 検査・感染症法との関係

 

通常は症状から診断されますが、検査診断は、迅速診断キットを用いた抗原検査や、便や吐物からの病原体の検出によります。

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